秋天の青 些か衰へて、 雁行 邦土を目指し來る。 田圃の稻 みな刈られて、 剥き出しの切株に 落穗疎らなり。 畦にひと羣の秋櫻亂れ咲き、 微風 花の彩りを混じたり。 漫然として過ぎ行く時の間に佇ち、 空無に無の氣配すら無し。 夕陽 山際に迫つて、 影法師は愈々長し。 前へ→ 詞藻樓表紙へ 文語の苑表紙へ
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