愛甲次郎 - 見えざる文化(知られざる叙事詩) - 連載第三回 ラーマーヤナ
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見えざる文化(知られざる叙事詩)


連載第三回 ラーマーヤナ


ラーマーヤナの主人公はヴィシュヌ神の化身なるコーサラ国の王子ラーマなり。父王ダシャラタはもと長子ラーマを世継ぎとなせしが、異母なる王妃カイケーイ、我が子バラタを皇太子にせむと欲し、父王をしてラーマを追放せしむ。


ラーマ、妃のシーター及び弟ラクシュマナを伴ひ森へ向け旅立つ。ダンダカの森にて聖仙らに阿修羅、羅刹どもの退治を要請され彼らを悉く誅せり。この一件羅刹の王ラーヴァナの聞き及ぶところとなり、復讐のため王はラーマの森の庵に赴き、魔術を用ゐて妃シーターを誘拐するに至る。ラーマこれを知り、苦労を重ねてその行方を追ふ。猿王スグリーヴァ、その仇敵を倒せるラーマに心を寄せ、一族を挙げて王子のシーター奪還に合力を約す。巨猿ハヌマーン空を飛び海を越えランカ島に渡り、ラーヴァナの居城にシーター囚はるるを知る。報せを受けたるラーマは水神の助けを得てランカ島に橋を架け猿軍とともに攻入り、羅刹王ラーヴァナを誅す。


シーターを奪ひ返し凱旋せるもラーマ、シーターの貞節を疑ひ、妃はその潔白を証せんと身を火中に投ず。火の神アグニに救はれし妃なれども終に森へ追放さる。数年ののちラーマ再びシーターに巡り会ひぬ。彼女誓って身の潔白を訴へ、真実ならば大地の女神その腕にて受け給へと祈る。女神、妃を抱きて地中に去る。ラーマ、シーターとの再会を期して天上に昇りヴィシュヌ神に復せり。


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