長歌 白百合薫る野邊                  宿谷睦夫

 人の住まひし習志野の野邊に牡丹、石楠花の花の終りて夏の盛りに白百合が家々の庭に咲き初む


 五月雨の 雨は上がりて 通ひ路の 習志野の野邊

 分け入らば 青葉若葉の 生ひ茂る 林を渡る

 風清か 卯の花は咲き 郭公 囀る聲も

 靜まりて 牡丹の花や 石楠花の 花もいつしか

 隱るる今日 甍を圍ふ 遠近の 庭また庭に

 白百合の 甘き香を 漂はせ 吹く微風に

 花は咲き初む


  反歌

 五月雨の 雨は上がりて 白百合の 甘き香の 花は咲き初む

 

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