十四
初夏 (夏日偶作其の一)
午眠初覺小亭中
頬下枕痕些印紅
近水自然無暑意
滿池荷葉一簾風
初夏
午眠 初メテ覺ム 小亭ノ中
頬下ノ枕痕 些カ紅ヲ印ス
水ニ近クシテ 自然 暑意無シ
滿池ノ荷葉 一簾ノ風
昼ね覚めたる 亭の中
頬紅似たる 枕あと
暑さ思はぬ 水辺なら
池に満ちたる 蓮みどり
揺れる簾も 風涼し
(文化十ニ年夏)
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