十三
自岐阜舟行至墨股
清流曲曲?春霞
?出輕舟眼界?
沙岸盡頭村忽現
遠林一樹認高花
岐阜ヨリ舟行シテ墨股ニ至ル
清流 曲曲 春霞ヲ?ス
輕舟ヲ?出スレバ 眼界 ?
沙岸 盡キル頭 村忽チ現ル
遠林ノ一樹 高花ヲ認ム
曲がり廻れる 清らなる 流れに映る 春景色
舟を浮かべて 漕ぎゐでば 遠きかなたを 見はるかす
やがて沙岸の 盡きるほとり 不意に現る 里の家
そのまた遠く みどりなる 山の林の 高き処
ただ一本(ひともと)の 櫻あり
(文化十ニ年春)
?=
?=
?=
←次へ
_____
細香詩集目次へ