三
夏日偶作
永日如年晝漏遲
霏微細雨熟梅時
午窓眠足深閨靜
臨得香奩四艶詩
夏日偶作
永日年ノ如ク 晝漏 遲シ
霏微タル細雨 熟梅ノ時
午窓 眠リ足リテ深閨 靜カナリ
臨ミ得タリ 香奩 四艶ノ詩
ゆるゆると 時の過ぎ行く 夏の昼
こまやかな 雨に熟れゆく 梅の実か
われもまた 目覚めてみれば ねや静か
今はこそ 写さんとてや 艶女の詩
(文化十一年夏)
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