獨逸途中 ドイツとちゅう 伯ベル林リンより隈馬爾ワイマールへ。廣大なる平原の處々に教會の尖塔、而うして森。 日本には無き風景なり。
秋雲灑雨忽飛揚 秋雲雨を灑そそいで忽ち飛揚し 尖塔長林映夕陽 尖塔長林 夕陽に映ず 大道直通隈馬爾 大道直に通ず 隈馬爾 疾行獨逸國中央 疾行す獨逸の國の中央 [陽] ○ 平成七年九月十一日作 *隈馬爾 獨逸中央チューリンゲン地方の都市。ゲーテ、シラーら文人多く住み歐州文藝の中心地となる。 *國中央 『詩經』に「宛らに水の中央に在り」とある。
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