毘陵中 びりょうだうちゅう 「無錫と南京の中間に、古の毘陵、常州の町あり。運河を行く船と、路を走る 車と、堤の柳と、田の菜の花と。ふと、『唐詩選』の皇甫冉 (くわうほ・ぜん)「歸舟明日毘陵の、首(かうべ)を囘らせば姑蘇は是れ白雲」を口誦さむ。
水上行舟堤上車 水上の行舟 堤上の車 南來北往似飛梭 南來北往 飛梭首(ひさ)に似たり 春風百里毘陵 春風百里 毘陵の 慰眼翠楊兼菜花 眼を慰首(いや)す翠楊と 菜花と [麻] ○ 平成元年三月 *毘陵 江蘇省武進縣、常州のあたりを言ふ。*飛梭 梭は「ひ」。機織りの横絲を通す管。この飛ぶが如く 速く動く樣子を舟や車の往來に比す。
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