西林寺古塔 さいりんじこたふ 東林寺への道の傍に、西林寺の古塔風雪に耐へて立つ。慧永(ゑやう)の開きし寺 は既に無く、この古塔残るのみ。塔頂には蓬草雑木叢生し荒るるにまかす。
朱瓦青磚認六朝 朱瓦 青磚(せいせん) 六朝を認む 層層独立入雲霄 層層 独立して 雲霄(せう) に入る 一千五百春秋遠 一千五百春秋遠し 尺塔頭蓬草揺 尺の塔頭 蓬草(ほうさう) 揺るる [蕭] ○ 昭和五十六年十月 *青磚 青き煉瓦。*六朝 南京に都せし六王朝の時代。三世紀より六世紀に至る。*霄 そら。*尺 は二百。二百尺。 *蓬草 雑草を云ふ。
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