文語日誌
推奨環境:1024×768, IE5.5以上



文語日誌(平成二十一年四月)
     
                  市 川 浩

小學校の漢詩教育
平成二十一年四月二十四日(金)晴




 國語を考ふる國會議員懇談會・會長平沼赳夫先生、通稱「國語議聯」四月例會の行事とて、世田谷區立船橋小學校に於ける漢字漢文教育の視察あり、同行の機を得。
午前八時三十分衆議院第一議員會館前をバスにて出發、參加議員平沼會長以下約八名、谷田貝、愛甲先生ら國語問題協議會、文語の苑のメンバー約七名にて船橋小學校に向ふ。


  世田谷區は國語教育を重視する「教育特區」を申請、「國語」 教科には非ざる綜合學習科目「日本語」として平成十七年より二年間の準備期間を歴、同十九年より區内各學校にて實施しをり。石井勳先生の高弟、土屋秀宇先生其の小學校作業部會長として、其實現に盡瘁せられたり。


  さて學校に著き、二階の二年生の教室に入るに、机をコの字形に二列、凡そ三十人が程の生徒吾等を迎ふ。當日の授業は孟浩然の五言絶句「春曉」の朗讀諳誦なり。先づ教科書の訓み下し文と同じきものをワープロ墨書して掲げ、一節づつ齊誦、次に別に用意の漢字カード撒布せる中より、生徒一人づつ名告り出で掲出の訓み下し文の漢字に同じき文字を選び來、先生之を順次排列すれば則ち漢詩白文となり、これにて再び齊誦。これより數組に分れて夫々諳誦を練習すること十數分、其成果や如何にと見守る中に、何れの組も見事に諳誦に成功して授業を了る。この間約四十分弱生徒擧手して名告り上げ續くる活氣教室に滿ち、指名せらるれば起立、椅子を机下に納めて後發表の作法も既に克く身に著きゐて、平沼會長もいたく感銘の面持にて、事後の懇談に躬ら擧措生徒に同じうせらる。


  石井勳先生には親炙するの機に惠まれ、其漢字教育の效果大なるを伺ひ、早く義務教育にての採用を望みをりたるも、實際の授業を參觀する事なければ、初めて見る生徒各の表情の素晴しさにこれぞ石井式漢字教育の心髓と當に百聞は一見に如かず。文部科學省よりも擔當官の參加あり、曾て國語教育を古典教育より「解放」すべしと呼號せる誤、未だ總括を受けず、これを機に正常化へ向ふべく「國語議聯」の活躍期して待つべきものあり。


  昨年四月二十四日の記事なり。新黨旗揚げ、狂瀾怒濤の政局の幕開け一年前の樂しき靜謐の時間、後々の思ひ出となるべし(平成二十二年四月四日夜識す)


▼「日々廊」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る