侃々院>[大東亞戰爭詩史 列傳]清水 浩 |
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[大東亞戰爭詩史 列傳] 清水 浩 詩史列伝(その八) ■参謀列伝 辻政信陸軍大佐 大戦中の参謀の中にて、この人ほど毀誉褒貶の分かるゝ人物はなし。マレー作戦はじめ、常に第一線に飛び出して指導にあたるなど勇猛ぶりを見せ、部下よりは「作戦の神様」と尊敬せらるゝ一面あり。その反面、上司を上司と思はぬ不遜さあり、捕虜の処遇その他に於て悪質なる指示を出すなど人間性を疑はする面をもてり。強気一点張りの作戦立案は、すでにノモンハン事件に於て失敗をみせたるにも拘はらず、ガダルカナルに於ても前車の轍を踏む。個々の戦闘指導にはきはめて高き能力を示すも、大局的判断力において問題ある人物なり。所謂駻馬にして、この才物を使ひこなし得る大人物は求め難かりしといふべし。戦後国会議員となりるも、のちラオスに潜入して消息を絶つ。 東奔西走不知疲 東奔 西走 疲れを知らず 果斷挺身術策奇 果斷 挺身して術策奇なり 伯樂寥寥操駻馬 伯楽(馬に明るい名指導者)寥々たり駻馬(荒ら 馬)を操らむには 罪功相半怪男兒 罪功 相(あひ)半ばす怪男兒 ▼ その九へ ▼「侃々院」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る |