侃々院>[近衞上奏文]解説 市川 浩 |
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[近衞上奏文]解説 市川 浩 ■第八囘 少壯軍人ノ多數ハ我國體ト共産主義ハ兩立スルモノナリト信シ居ルモノノ如ク、軍部内革新論ノ基調モ亦ココニアリト存シ候。 皇族方ノ中ニモ此ノ主張ニ耳ヲ傾ケラル方アリト仄聞イタシ候。職業軍人ノ大部分ハ中流以下ノ家庭出身者ニシテ、其ノ多クハ共産的主張ヲ受ケ入レ易キ境遇ニアリ、又彼等ハ軍隊教育ニ於テ國體觀念タケハ徹底的ニ叩キ込マレ居ルヲ以テ、共産分子ハ國體ト共産主義ノ兩立論ヲ以テ彼等ヲ引キスラントシツツアルモノニ御座候。 「耳ヲ傾ケラル方アリ」は「傾ケラルル」が正し。「ココニアリト存ジ候」も「存候」にて可。この書き方に從へば「仄聞イタシ候」も「仄聞致候」。 *所謂敗戰革命戰略に於ては軍隊のプロレタリア化を重視し、「國體と共産主義の兩立論」を軍部に滲透せしめ、「國家改造」の名の下に共産革命を實現せんとせり。 ▼[近衞上奏文]解説 第九囘へ ▼「侃々院」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る |