加藤淳平 - 日本の文化傳統、如何にして切斷せられしや(前篇)- 九
推奨環境:1024×768, IE5.5以上




日本の文化傳統、
     如何にして切斷せられしや(前篇)
                  加藤淳平


九 米軍の日本報道機關管理


 マッカーサー自身の意向如何にあれ、麾下なる占領軍司令部は、華府(ワシントン)よりの指令に基づき、ポツダム宣言の内容を骨拔きとする方策を、着々と進めたり。


 米占領軍の最大目的は、再度日本をして、米國に戰爭を仕掛くる能はざる體制を、造るに在りき。此の目的を達成せんが爲、米軍は、自ら起草せる憲法、就中戰爭抛棄條項が採擇を日本に強制し、東京裁判を開き、社會各方面に亙りて、多樣なる改革を主導せり。


 之等に増して、米占領軍の重視せるは、日本人の心に、再度米國に挑戰せん意志の生ぜざる樣、思考を變改・誘導せしむる事なりき。斯て米軍は、情報・洗腦工作に全力を傾注せり。物的に敗れしも、精神的には敗れざりし日本人の、背骨を摧き、日本政府と國民を分斷せんと圖れり。之が爲の最初の行動は、米軍が檢閲と、直接指導による、日本報道機關管理なり。


 何れも、言論の自由を掲げしポツダム宣言に違反せるは明白なり。されど米軍、之に頓着せず。日本政府、亦、ポツダム宣言違反を指摘し、抗議する勇無かりき。


▼ 十へ
▼「侃々院」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る