安東路翠 [永泰公主]:五
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『永泰公主』
安東路翠 作
- 新作能 謠曲 - 五
笛簫の遠里に消えて夜の闇
重き御室の假枕
岩戸の壁の末の世に 引き外されて復元圖
もとなる壁畫は今や薄れしかど漸く月の映りしに
審らかなり 無窮の麗美官女の濃きまな尻
幽花立ちまふ絢爛の 絹織の袖縹渺たり
夜更るほどに情けなし 風の獵けば弄び 砂塵舞ひあげ四方の景ゆれにゆる
*
獵けば=うごけば
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