(昭和四十七年十一月『歴史と人物』中央公論社)
知らずして言ふは不智なり 知りて言はざるは不忠なり
韓非子「初見秦」冒頭の一句。その意は文字通り「知りもせぬことに ついて論ふは不智又知つてゐながら右顧左眄し、直實を語らぬは不忠」 の意也。
忠といふも民主主義の今日國民に對するものとしてなほ通ずべし。自戒 の言なるも、學者、言論人、新聞人の心懸として望ましき事に候はずや。