侃々院>「岡崎偶感」岡崎久彦 |
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岡崎久彦 春風を斬る 二月十四日 余、靖國神社遊就館の展示を修正せしより、當代の才子小林よしのり氏余を批判するの鋭鋒を縱横に振るひ、巷間 のブロッグまた余を糾彈すと聞く。 余、かつて博報堂の禄を食みし折り、近藤道生居士より教へを受けし禪の偈あり。 珍重す大元三尺の劍 電光影裏 春風を斬る 鎌倉円覺寺の開祖、無學祖元、宋に在りし時、寺に蒙古兵の亂入するあり。長劍を無學祖元の項に擬したるに際し吟じたる偈なりと言ふ。 「見事みごと、才筆の冴え、ここに極まれり。稻妻の如く、抜く手も見せず、斬り賜へり。春風を。」とでも意譯 すべきか。 平成十九年二月十四日 ▼「侃々院」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る |