侃々院>[大東亞戰爭詩史 列傳]清水 浩 |
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[大東亞戰爭詩史 列傳] 清水 浩 詩史列伝(その十二) ■軍相列伝 鈴木貫太郎大将 日露戰争の勇者として鳴らせし鈴木提督は、後年侍従長として昭和天皇より絶大の信頼を受く。 二二六事件に際、君側の奸として青年将校に斬らるるも、健氣なる夫人によりて危ふく命を取り留めたり。 夫人はかつて天皇の乳母(めのと)なりせば奇しき縁といふべし。大戰終結の最後の切り札として、 二十年四月に八十二歳の老躯を鞭ちて首相となれり。就任後口には勇ましく戰争繼續を謳ひ、とぼけながら終戰へ向けて誘導す。 最後は原爆投下、ソ連參戰の悲報あひつぐを機に、御前會議にて聖斷を仰ぎ、見事至難の大役を果たせり。 風雪幾囘超死生 風雪 幾囘か死生を超ゆ 耄耆佩綬覓和平 耄耆(ぼうき、高齢の老人)綬を佩して和平を覓(もと)む 壯言緩急窺機至 壯言 緩急 機至るを窺ひ 偃武終成魚水情 偃武(えんぶ、終戦)終(つひ)に成る魚水(君臣の間柄の親密なたとへ)の情 ▼「侃々院」表紙へ戻る ▼「文語の苑」表紙へ戻る |