安東路翠 [永泰公主]:七
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『永泰公主』 


       安東路翠 作 - 新作能 謠曲 - 七


心安かり夕暮れの穹

乾坤春意動かせる

魂は善所に赴きて 魄は和せる陰となり

日月星と三精の 光に滿ちて禮樂に 莊嚴されし眞の歩み

眞の歩み玲瓏たり

げにや統ばるの世なれば

天地の理りなるか呂の女琴

陽律の響きに簫の和して

千里同風玉の舞 無量の經を賜れば 心に容るるやすけさを

羅什の數珠に恭敬のひびきありて 法語の惠み胸迫り

人の祕めたる義に觸れて 不意なる涙

記憶の奧の温けさに 逝きし日月超えたり

玉の音の夢幻の眞うるはしく

無限の眞うるはしや


統ばるの世統治された平安の國家

羅什の草堂寺より發した佛道の旅


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