永泰公主 - 三 - この頁は、文末に注釈があります。プリントアウトしてご覧になることをお奨めします |
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『永泰公主』 安東路翠 作 - 新作能 謠曲 - 三 唐の詩の柳絮を飛ばし 吟じしうたはいにしへも 審らかにして 不思議やな 里の女と見えたるもひとときをしてたちのぼる 幽かに床し薫香と かんざしのねいろ 白きうなじも花の貌、奇はや、あやしきなり御名告候へ 乾陵に湧く麗泉を 撥みつゝ釀す夕宵の 千金の趣 打ち眺むれば春夕の四方の景 桃李參へて 一つとならん 御時のかく懷かしきかな この興のうれしきに御謂委しく傳へ候へ 驪山宮の花のみ跡 春蝶の羽ゆるく舞ふ 春夏秋冬高欄に倚り 飽かずに吟ず信の詩、今天眞の語らひ寶樹の下 陵嶺に續く石道に並みし石像鶯の舞 禮樂の列肅然と陵參道 正す胸襟敬虔に 裳裾を搖らし宮女の列 細腰の瓔珞戀へば 粧ひの衣の珍しの青錦 豐滿の笑みし唇 天性の御貌 琴笛空篌金冠を戴きし 玉の簪端々し
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